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予定調和的に理解できるものと、デューイの翻訳をはじめたのだが、単純な用語の多用や難解な表現に度々出くわし、視野を広げざるを得なくなった。そんな時に読んだこの本である。記号学の祖パースからデューイ、そしてモリスへと繋がる系譜が書かれており、記号学史全体からデューイの思想を抽出する助けになった。今までの理解を超えて新たにのびてくる地平があり、デューイの果たした重要な役割をより明確に位置付けることができた。 パースは記号の必然性・形式性を強調し、カントのカテゴリを発展させ、文の構造にあてはめることによるゆらぎを解釈項として比較対照した。また、記号過程において直観を排し、経験的に進化することで、ドライな力学がたちあらわれてくる。また、そこで起こる解釈項の問題がデューイの研究を促し、道具的・文化的記号選択、反射弧へと受け継がれ、状況による切り換え・選択を繰り返す人間の実生活に当てはめ直される。そして、その習慣論における「傾向」は、モリスの「解釈傾向」へ受け継がれる。モリスは、パースとの類似点が指摘されることもあるが、「解釈傾向」の同機という問題意識からとらえれば、その「価値的意味」の概念は、むしろ本源性への志向として跡づけられるだろう。
記号学の重要なキーワードが多数網羅されている本書は、初心者にとって非常に有用だと思われる。
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